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  • 2007.04.01 Sunday
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クラッシュ

評価:
サンドラ・ブロック,ポール・ハギス,ドン・チードル,マット・ディロン,ブレンダン・フレイザー,テレンス・ハワード,サンディ・ニュートン,ライアン・フィリップ,ボビー・モレスコ
東宝
¥ 1,980
(2006-07-28)
複雑で深遠な,素晴らしい作品です。

"crash",衝突,ぶつかり合い,破壊。
そこに,やわらかな意味はない。
そのとおり,ロスという街のあちこちで,白人から黒人,アジア人,アラブ人といった,いわゆる有色人種に対する人種差別の場面が,いくつも繰り返し描かれる。

アメリカの人種差別って,こんなにひどいの!?って,ロス郊外に住む妹(日本人です)をもつ私としては,誇張でなく現実ならばかなり心配だよぅムニョムニョって感じだった。
だって,街で黒人とすれ違いそうになっただけで,通りがかりのサンドラ・ブロック<検事の妻で差別的・高慢ちき,深い孤独からくるいらだちを持て余してる役> は,思いっきり警戒して身構えるんだよ。まあ,その彼らは,実際,直後にサンドラ夫婦の高級車を強奪しちゃうんだけど。
「白人の高級住宅街に黒人がいたら(そりゃあ)撃たれるぞ」って台詞とかあって衝撃。白人からの敵意のあるネガティブな見方や行動が,黒人の被蔑視感情や白人への否定感情を作り出し,敵意ある行動で応じるので,そこに対立や威嚇が生じ,互いの人種に対する拒否的なイメージを強化してしまうかのような連鎖が見え隠れする。

前半は,あからさまな誹謗中傷や怒りを含めて,人種同士のシビアなぶつかり合いが淡々と描かれる。ロス市警の警官(マット・デイモン)と,その警官による『注意』の対象となった黒人夫婦のかかわり合いや,黒人の鍵屋と,店をやっているペルシャ人とのいがみ合いなど。
さまざまなエピソードや,ばらばらに出てくる登場人物がだんだんとつながっていって,少しずつ意味やテーマが見えてくるまでは,ちょっとしんどい気もして観ていた。
登場人物も多いし,関係性も複雑だし。

でも,後半,ドラマは思いがけず大きく展開していき,食い入るように観てしまった。
衝突や蔑視,優劣といった対立軸の中に,ほんの少し,そうした対立とは別次元の,パーソナルな空間がうまれていくのだ。
それらは,ラストシーンでロスの街にちらちらと舞い降りる小雪のように,はかなく溶けてしまいそうな,永続しないかもしれないものだけど,そこには確かに,ちいさなちいさなあたたかさや奇跡,救いや赦し,悔恨とやるせなさ,皮肉や孤独といった,人種を超えた人間的な感情が満ちている。

決して勧善懲悪や誰がどう悪いかとか,傷ついた分幸せになれる,みたいな,そういうわかりやすい筋が用意されているわけじゃない。殊に終盤は,なんたる皮肉か,と思うような場面もあって,かなり切なくもなったし。
それでも,見終わった後に,クリスマスの初雪を迎えたみたいに,なんとなーくあったかい気持ちになっていたのは,上に書いたように,人間らしいやわらかな感情が,人種のcrashからうまれることもあるし,crashが人種の壁を超えることもあるんだろう,と思えたからかもしれない。ゆき
映画の冒頭で,交通事故場面に立ち合った黒人の刑事が,衝突とは触れ合いなんだ,てなことを言って,そのときは意味がよくわからなかったんだけど,結局,その言葉とともにこの物語はあったのだと思う。ラッキー

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